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※How To Read についは、参考程度としてください。表記に問題があるため全面改定を準備しています
No. |
漢字 |
ふりがな |
How To Read |
説明 |
10120 |
逆板 |
さかいた |
sakaita |
大鎧(一部の古式胴丸)にみられる後立挙二段目の重なりが逆さになった小札板。装着時の俯仰屈伸の便のためであり、この板の中央に鐶を討ち総角(あげまき)を下げる。 |
10121 |
逆澤潟威 |
さかおもだかおどし |
sakaomodakaodoshi |
『杉原本保元物語』巻二に散見され、『蒙古襲来絵詞』等の古画にみられるように澤潟威を逆さにし、逆三角形状に色目を替えた威毛。代表的遺物として(御物)「逆澤潟威大鎧雛型」、愛媛県大山祇神社蔵(国宝)「逆澤潟威大鎧」がある。 |
10122 |
座金物 |
ざかなもの |
zakanamono |
葵座、円座、菊座、裏菊座、小刻座、返花座等の類や鐶台、鋲、星等の下に敷く金物の類の総称。 |
10123 |
座金 |
ざがね |
zagane |
「座金物」の略称。葵座、円座、菊座、裏菊座、小刻座、返花座等の類や鐶台、鋲、星等の下に敷く金物の類の総称。 |
10124 |
札 |
さね |
sane |
「小札」の古称。 |
10125 |
三鈷 |
さんこ |
sanko |
「鈷」(仏具に一種)を三つ寄せた仏具の一種。室町末期以降にみられる「三鍬形」の中央に掲げられることが多い。代表的遺物として鹿児島県鹿児島神宮蔵(重文)「色々威胴丸」、山口県毛利報公会蔵(重文)「色々威腹巻」等に付く阿古陀形筋兜にみられる。 |
10126 |
地板 |
じいた |
ziita |
兜の篠垂の下に敷く鍍金もしくは鍍銀を施した板。または彫金を施した板。 |
10127 |
地鉄 |
じがね |
zigane |
元となる鉄板。 |
10128 |
地韋 |
じがわ |
zikawa |
革所の主となる韋。襷文韋、藻獅子文韋、不動韋、正平韋等の類。 |
10129 |
シコロ |
しころ |
shikoro |
兜の側面から後部にかけて威し下げた小札板の部分。「錏」、「錣」とも書くが、一般的には「革」偏に「毎」と書くことが多く、よって文字入力上の理由から本用語集においては「シコロ」と統一して入力した。 |
10130 |
シコロ札 |
しころざね |
shikorozane |
シコロの製作に際して用いられる小札。他の部分より札丈が短く、シコロの開き具合に合わせて裾広がりに作られている。 |
10131 |
獅子頭 |
ししがしら |
shishigashira |
『太平記』に散見され、『集古十種』甲冑一「山城国鞍馬寺蔵義経朝臣甲冑図」にみられるような獅子の頭立と想像されるが詳細は不詳。 |
10132 |
下緘 |
したがらみ |
shitagarami |
「下綴」ともいう。小札を「下緘の穴」を使って連続して革で綴じて小札板を形成すること。 |
10133 |
下緘の穴 |
したがらみのあな |
shitagaraminoana |
小札の下一段目から四段目までの下緘に使う穴。 |
10134 |
下地 |
したじ |
shitazi |
上塗りを施す前に、地粉や砥粉を交ぜた漆を何層にも分けて塗り重ね、肉付けした後で丹念に砥石で磨いで表の面を合わせること。一部の幕末の遺物には、胡粉に膠を交ぜた下地がある。 |
10135 |
仕立 |
したて |
shitate |
各々の部品を合わせて組み立てる甲冑製作の最終作業。 |
10136 |
執加緒 |
しっかのお |
shitkanoo |
「中緒」ともいう。袖の冠板の裏の真中に打たれた鐶から取る緒。鎌倉後期頃までは「縦鐶」から組紐をとって綿噛の茱萸に結んだ。これ以降は「横鐶」になり、韋紐をとって綿噛に直接結ぶことが多くなる。 |
10137 |
地鉄 |
じてつ |
zitetsu |
元となる鉄板。 |
10138 |
篠垂 |
しのだれ |
shinodare |
兜鉢に施す飾金物の一種。先端を花先形に切り、前(片白)、前後(二方白)、前と左右斜め後(三方白)、前後左右(四方白)、六方(六方白)、八方(八方白)に八幡座から垂れ下がる剣状の細長い金物。 |
10139 |
忍の緒 |
しのびのお |
shinobinoo |
『随兵日記』に散見され、南北朝期以降の「兜の緒」の同義語。兜を被るのに際して顎の下で締める緒。「兜の緒」を参照。 |
10140 |
四方白 |
しほうじろ |
shihoziro |
兜鉢の前後左右を篠垂もしくは地板で飾ること。代表的遺物として広島県厳島神社蔵(国宝)「浅葱綾威大鎧」、島根県日御碕神社蔵(国宝)「白糸威大鎧」等の兜がある。 |
10141 |
蛇腹伏 |
じゃばらぶせ |
zyabarabuse |
「伏組」にみせて二本の色糸を交ぜた捻糸を、「V」を連続するように並べて縫ったもの。江戸期の遺物にも用いられているが、五月人形の甲冑に多く用いられている。 |
10142 |
衝角付冑 |
しょうかくつきかぶと |
syokakutsukikabuto |
古墳時代の冑の一種。前正中に衝角と称する三角状の突起がある冑。代表的遺物として東京国立博物館、奈良県天理参考館等の蔵品がある。 |
10143 |
菖蒲韋 |
しょうぶかわ |
syobukawa |
白く菖蒲を染め抜いた藍韋。古くは化粧板にのみ用いられたが、室町後期以降になると小縁にも用いられる。 |
10144 |
正平韋 |
しょうへいがわ |
syohegawa |
「八代韋(やつしろがわ)」ともいう。絵韋の図柄の一種。藻獅子の図案の中に「正平六年六月一日」とか「正平十三年六月一日」、「正平六年六月十八日」と細長く短冊状に書かれている絵韋。代表的遺物として京都府鞍馬法師大惣仲間蔵(重文)「白糸妻取大鎧」の弦走韋がある。 |
10145 |
白星 |
しらぼし |
shiraboshi |
『保元物語』、『源平盛衰記』等に散見され、鍍金、鍍銀を施した星と想像される。 |
10146 |
白糸威 |
しろいとおどし |
shiroitoodoshi |
『相国寺堂供養記』、『太平記』、『大塔軍記』等に散見せれ、総体に白糸で威した威毛。代表的遺物として島根県日御碕神社蔵(国宝)「白糸威大鎧がある。 |
10147 |
白糸妻取 |
しろいとつまどり |
shiroitotsumadori |
『相国寺供養記』に散見され、総体に白糸で威し、妻(端)を色糸で取った威毛。代表的遺物として青森県櫛引八幡宮蔵(国宝)「白糸妻取大鎧」がある。 |
10148 |
据文 |
すえもん |
suemon |
「据文金物」の略称。 |
10149 |
据文金物 |
すえもんかなもの |
suemonkanamono |
略して「据文」、「据物」ともいう。金具廻り、小札、小具足等に打たれた菊重や各種の紋をあしらう飾金物。 |
10150 |
素懸威 |
すがけおどし |
sugakeodoshi |
室町末期以降にみられる疎らに緘の穴を菱に綴じながら各段を一貫して縦に威すこと。代表的遺物として宮城県仙台市博物館蔵(重文)「紺糸威仙台胴具足」の威毛がある。 |
10151 |
杉形ジコロ |
すぎなりじころ |
suginarizikoro |
平安、鎌倉期にみられる大型のシコロの俗称。代表的遺物として広島県厳島神社蔵(国宝)「小桜威大鎧」、同蔵(国宝)「紺糸威大鎧」に付く兜のシコロがある。 |
10152 |
筋兜 |
すじかぶと |
suzikabuto |
中近世を一貫して主流をなす兜の一種。南北朝期に発生し、矧合に用いる鋲頭(星)をすりつぶして筋のみを強調した兜。 |
10153 |
裾板 |
すそいた |
susoita |
シコロ、袖、草摺、栴檀板、垂等の一番裾の小札板。またそこに菱縫があることから「菱縫板(ひしぬいいた)」ともいう。 |
10154 |
裾金物 |
すそかなもの |
susokanamono |
裾板に打つ金物。裾金物がみられる代表的遺物として奈良県春日大社蔵(国宝)「紅糸威梅金物大鎧」、同蔵(国宝)「赤糸威竹雀金物大鎧」等がある。 |
10155 |
裾濃 |
すそご |
susogo |
「匂威」の一種で裾に向けて繧繝を段々に濃くする威毛。代表的遺物として東京都御岳神社蔵(重文)「紫裾濃大鎧」がある。 |
10156 |
臑当 |
すねあて |
suneate |
臑を保護するための小具足の一種。中世の筒臑当や越中臑当には家地はないが、近世になると臑の形に作られた家地に鎖や篠を縫い付けて作られている。 |
10157 |
素鉢 |
すばち |
subachi |
シコロや眉庇を付ける前の兜鉢。 |
10158 |
背板 |
せいた |
seita |
腹巻の背面にできる隙間を覆う板。通常は主をなす腹巻と同様の作柄をみせる。代表的遺物として大分県柞原八幡宮(重文)「金白檀塗浅葱糸威腹巻」、静岡市浅間神社蔵「紅糸威小腹巻」に付くものがある。 |
10159 |
栴檀板 |
せんだんのいた |
sendannoita |
大鎧の右胸の隙間を埋めるために高紐に縛り付ける小型の袖状の板。 |
10160 |
象嵌 |
ぞうがん |
zogan |
地鉄に様々な図案や模様を掘り、金や銀を細かく切った板を打ち込んだ工芸技術の一種。地鉄の厚いものに用いる「本象嵌」と、地鉄の薄いものに用いる「布目象嵌」とに分けられる。各々を参照。 |
10161 |
総吹返 |
そうふきかえし |
sohukikaeshi |
シコロのすべてを返した吹返。代表的遺物として広島県厳島神社蔵(国宝)「小桜威大鎧」の兜の吹返がある。 |
10162 |
総覆輪 |
そうふくりん |
sohukurin |
南北朝期以降にみられる兜鉢の装飾の一種。桧垣から八幡座までの筋を覆輪ですべて覆うこと。代表的遺物として広島県厳島神社蔵(国宝)「黒韋威胴丸」、青森県櫛引八幡宮蔵(国宝)「赤糸威菊金物大鎧」等の兜がある。 |
10163 |
総覆輪筋兜 |
そうふくりんすじかぶと |
sohukurinsuzikabuto |
総覆輪を施した筋兜。代表的遺物として広島県厳島神社蔵(国宝)「黒韋威胴丸」、奈良県春日大社蔵(重文)「黒韋威胴丸」等の兜がある。 |
10164 |
総覆輪星兜 |
そうふくりんほしかぶと |
sohukurinhoshikabuto |
総覆輪を施した星兜。代表的遺物として青森県櫛引八幡宮蔵(国宝)「赤糸威菊金物大鎧」の兜、栃木県二荒神社蔵(県文)「三十八間星兜鉢」等がある。 |
10165 |
袖 |
そで |
sode |
肩先から上腕部にかけてを保護する威し下げた小札板。その形状から大袖、広袖、壷袖、当世袖、変わり袖等と称するものに分けられる。 |